将進酒 282章(最終章)まで読了

読み終わりました!8月から読み始めて4ヶ月かかりました。今まで読んだ中華BLの中では一番長かった。参考までに文字数で見ると、杀破狼 約65万字に対して、将進酒は約100万字でした。

下巻が読み終わったくらいの時に、この小説の紹介で「沈泽川が皇帝になるまでの話」という一文を見てしまいましたが、これはネタバレになるのかな…どうだろう。その前提でみんな読んでたのかな。

終盤はラブシーン本当に少ないけど、最後の最後にちゃんと美味しいところある!全体的には甘酸っぱい要素は控えめかも。物語の序盤に両思いになってそれからお互いに一途で揺らぐことがない。信頼関係が強くて安定したCPでしたね。
萧驰野に娘を嫁がせたいという話が出てきた時もまったく動じず。沈泽川の自信と余裕がありすぎて、逆に嫉妬するところも見てみたかった。
メインCPが安定してるから物語的にも順調に進んだのかなと思います。そういう意味ではBLと歴史ものをうまく融合させた小説でした。

沈泽川が新しい皇帝となり歴史は勝者の歴史に書き換えられる。
でも記録には残しきれない、公にはされない事実がいっぱいありそう。
それこそ沈泽川の生みの母である白茶にまつわる話や、売り買いされた子どもや女性たちのエピソードなど。
それらを追っていった結果、朝廷に潜む“蝎子”の存在に繋がり過去の事件の真相に収束されていくのが、推理小説のような面白さがあってよかった。
阿木尔の目的が勝利ではなく”大周を内部から崩壊させること”であり、彼の筋書き通りになってしまったことがわかった時、鳥肌がたったなぁ。

最後、阒都へ突入するのに、萧驰野と共闘するのを想像していたんですが、実際には沈泽川の軍のみで武力行使は最小限でしたね。(というより阒都の戦力は辺沙軍に比べたらそこまででもなかった)
鉄騎は最初から最後まで辺境で戦い続けて、それぞれの場所で役割をきちんと果たしたんだね。
沈泽川が重要だったのは中博六州を指揮下におさめた実績と民衆の信頼。もし武力で制圧して城を落としてたら、おそらく民衆も納得せず、賊とも区別がつかなくなってしまいますよね。

風泉、途中までサブキャラだと思っていたら超重要人物だった…!
齐惠连がいずれ来る時のために「松月」と共に仕込んでおいたという。予知能力者ですか!?
最序盤にあった小福子の事件も回収されたし、伏線の張り巡らせ方が複雑でおもしろかった。

しかしちょっと理解しきれてない部分もあります。
280章で阒都に蝎子が出現するのはあまりに絶妙なタイミングでした。
風泉が阿木尔によって送り返された蝎子だということは齐惠连も気づいていなかったんですよね。風泉はどの立場で行動していたのだろう。齐惠連、薛修卓、阿木尔の3人が彼の手のひらの上で踊らされていたということ?
結局、敵だったのか味方だったのか、いまいち読み取れなかったので、風泉視点でもう一度読み直してみたいと思いました。

姚温玉の命は風前の灯でいつまで持ち堪えるかという緊張感がずっとありました。乔天涯も辛かっただろうな…。阒都で新年を迎え、息を引き取ります。むしろよくここまで持ち堪えてくれたなと……

辅佐良主,我便是天间云雨,聚散随意。我可以无名、无德、无所颂,但吾主,必定彪炳干秋。(良き主を補佐する者として、私は天の雲雨の如く、集まりも散りも自由に任せるのみだ。私は無名でもよい、無徳でもよい、称えられずともよい。だが我が主は必ずや千秋に名を刻む。) この姚温玉の台詞、主君への絶対的な信頼への表れだった。彼の謙虚な態度に心打たれました。

尹昌さんのエピソードも印象に残ってます。無名で終わらず名将として名が刻まれたこと心からよかったと思った…。
一方で、乔天涯の名は無いんだなぁ……
乔天涯は来世では姚温玉と一緒に生きられますように。
畳む

掻い摘んだ感想になりましたが、全体的に構成がしっかりとしていてとても面白かったです!読んでよかった!
日本語訳が出版されるそうなので、ぜひそちらも楽しみにしています。
#将進酒

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